2.実際どのような建物の工事をしているの?

 「電気工事」は、どのような建物において工事しているのでしょうか。
 少し考えてみましょう。私たちの身の回りを見てみると、電気を使っていない建物は、現在ではほとんどありません。ですから電気を使うすべての建物において、電気工事は行われているといえるでしょう。
 とはいえ、建物の種類によって電気工事の内容は大きく分けることができるので、それぞれの建物で、どのような電気工事が行われるのかを見てみましょう。

【1】一般住宅の電気工事

 住宅は、木材を使って作る「木造住宅」が一般的です。
 電気工事では、木造の柱や天井裏の配線工事を行い、各部屋のコンセント、照明、スイッチの設置を行います。さらにそれらに電気を送る「分電盤」を取り付け、電気料金を測るメーター(電力量計)までの配線、また電柱からの「引込み」を行います。
 このほかにも、テレビのアンテナの工事、インターホンの工事、電話の配管、また最近ではインターネットを使えるようにするLAN配線なども行われています。
 最近では「スマートハウス」と呼ばれる、電気エネルギーを賢く使える住宅も建てられています。太陽光発電や蓄電池、エネルギーを計測して家電製品をコントロールできる「HEMS(ホーム エネルギー マネージメント システム)」などが導入された最先端の住宅で、電気工事の高度な技術を使って施工されています。
shigoto4

【2】マンションの電気工事

 マンションなどコンクリートを使った建物では、コンクリートの床や壁の内部に配管を行う仕事や、電線が通る穴(スリーブ)を設ける仕事など、木造住宅の施工と異なった工事も行います。
 さらにたくさんの人が電気を使うため、一般の戸建て住宅より高い電圧6600Vで電気を入れ、その電気の電圧を100Vや200Vに下げて、各家庭で使えるようにする「キュービクル」といった設備を設置し配線する工事を行います。
 住宅となる各戸の部屋の配線や器具の取付けはもちろんのこと、廊下や階段などの共用部の配線器具、照明器具の取付けを行います。
shigoto5

【3】オフィスビルの電気工事

 オフィスビルでは、広いスペースを照らすためのオフィス照明の設置、各デスクへの電源配線など、住宅の設備とは異なった工事を行います。
 また広い範囲の照明制御が必要になるので、リモコンスイッチなど一般家庭とは異なるスイッチを使う場合もあります。
 さらにOAフロアなどを使った、床下の配線も行います。この床下配線では、各デスクにLAN配線や電源配線を行います。
 事務所施設以外にも、電気室の高圧受変電設備の施工、エレベーターや空調への電源配線、各配電盤の取付け、避雷設備や自家発電設備の設置など、さまざまな工事があります。さらに設備全体を管理する中央監視室に、設備の監視や操作を行えるよう計装線と呼ばれる低圧回路の配線を行うこともあります。
shigoto6

【4】工場の電気工事

 さまざまな種類の工場があるので、その工場の設備にあった電気工事を行う必要があります。高所用の照明設備の設置、生産設備に使うモーターに三相交流電源を配線したり、機械設備が順序よく動くようシーケンス制御の施工を行ったり、制御線の配線をすることもあります。
 また新しい生産設備が追加された場合や、変更された場合、ブレーカーの増設や配電盤の追加などの作業を行うこともあります。
shigoto7

【5】店舗の電気工事

 店舗の電気工事では、お店の雰囲気や製品を引き立てる照明の設置工事などを行います。売上げにも影響するため、照明の施工では、オーナーやデザイナーとよく打ち合わせ、確認しながら、最も効果的に商品を見せる場所に設置します。さらにお店の雰囲気を大切にするところでは、直接光源を見せない、間接照明といった手法で照明器具を隠す場合もあります。そのような場合、照明器具がきちんと隠れるか、温度は大丈夫か、メンテナンスはできるかなども確認します。
 また飲食店などの施工では、冷蔵庫や冷凍庫、食品加工設備などへの電源設備の設置などを行ったりします。

【6】仮設電気工事

 建築現場やイベント会場など、電源が一時的に必要な場所で、仮設の電源や照明を設置する工事です。
 電源は、近くに電気がきている場合は、電柱から受電し、仮設の分電盤を設けます。電気がきていない場合は、発電機を設置し、発電に必要な燃料を準備します。
 照明は、場所や作業や目的により、強力な光を出す投光器や作業灯、街を華やかにするLEDイルミネーションなど、その場に応じたものを設置します。



次は「3.電気工事会社の仕事の内容って?」です。